初めてのHead Spa
またしても皮切りはこの人でした。
Mさん「あのね、かりんてさんで、ヘッドスパしてきたの」
ヘッドスパ
<名>頭皮の洗浄、マッサージなどを施し、髪そのものと頭皮を活性化させる行為または付帯する製品を指す場合もある。
庶民にとっては時間と財布が許さず手も足も出ない、所詮世界が違うもの。
例文:ヘッドスパに行きたい?そんな暇があったら働けこのブタ!夜も昼も休まず汗水垂らして働くのよ!!!
(Wikipedia より一部のみ引用)
Mさん「Nさんも行っておいでよ」
行けたらいいんですけどね。
Mさん「かりんてさんには話しておいたから」
!!!???
と書くと、まるでありがた迷惑のようにも思われそうな響きですが、実際はMさんのお慈悲に感激で涙しながら、美容室かりんてさんまで足を運びました。
ただ、住む世界が違う、というのは大げさでは決してなく
うら、こんなにアーティスティックな駐車場、初めて見ただよ……。
駐車場内に舞う平和の鳥を足で踏みしめながら、店までの道(30mにも満たない)を歩いたのですが。
あまりに衝撃すぎて、外観を撮影するのを忘れていました。
私は常々エセコーダーだという自覚を持って仕事に臨んでいますが、どうやらエセブロガーでもあったようです。
そして、店内。
随所で光るオシャレさが、私の目には眩しすぎて溶けそうだ……。
これは何だか、素敵なカット+ヘッドスパをしてもらえそうな予感です。
何せ、私のカット前は、(写真を撮り忘れたので)イラストで表現すると
決して井戸の中で暮らしている訳ではないです。
応対してくださったのは、何だかイケメンな店長さんでした。
著作権に関わりそうだし、気持ち悪がられるのが怖いので、写真撮影は控えました。
確認したい方は、美容室かりんてさんまで。
店長さん「どんな感じにしたいですか?」
「えーと、髪を染められないので、なるべく軽い感じに、バッサリ切ってください。後はお任せします。どんなのが似合うのか、分からないんです〜」
うるせぇ。
しかしそんな不気味なおばさんに対しても爽やかに応対してくださる店長さん。紳士です。
そして、太ましい外見に似合わず弱い肌のNを気遣い、優しいシャンプーを使いましょう、とおっしゃってくださりました。
というか、頭皮と顔の皮膚が特に弱いのを、一目で見抜かれました。さすが。
市販の薬用ヘアカラーを頭皮にベタベタ塗りたくってくださった実母とは違います。
しかし、このシャンプー台……。
Nは、横から登らないと、搭乗すら不可能でした。
スリッパさえ揃えて脱げない酷さです。
このシャンプー台、女子にはちょっとね〜と思っていたら、隣りのお客さんは横になった状態で足がちゃんとシャンプー台からはみ出ていました。
認めるしかないようだ……私が短足である、という現実を……。
そしてカットした後、ヘッドスパをしていただいたのですが。
まず、カット。
ショートカットが壊滅的に似合わない私を、誰からも批判されないような素晴らしい仕上がりにしていただきました。
人のオシャレに異様に厳しく、未だにピ◯コ並のファッションチェックを繰り広げてくれる実母さえ絶賛してくれました。
私の髪のクセは、変な所で膨らむという、ちょっと特異なものなのですが、それを逆に利用した形で、ボブに近いけど軽い感じになりました。
何より驚いたのが、スピードです。
センス溢れるカット、丁寧な仕上がり、そしてスピーディーな作業。
これまで美容室を渡り歩いてきましたが、これら全部がハイレベルな位置で成立しているのを、見たことありません。
その後はヘッドスパでした。
シャンプー台に寝かされ、気難しい髪にも肌にも全くダメージのないケアをしていただいた後、マッサージで……
と、細かく書いて「営業妨害だ!」と言われる予定だったのですが……
意識が高みに昇ってしまって……
寝ちゃった訳ではないのですが……
私が蝶になった夢を見ているのか、今の私を蝶が夢で見ているのかは、分かりませんでした。
とりあえず、楽園は見えました。
マッサージの気持ち良さとはまた種類が違う、眠くなるというより、意識が宙に浮きそうな感覚です。
ヘッドスパに関する事前情報は、Mさんからも店長さんからもアシスタントさんからも一様に「気持ち良くなるよ〜」と法律違反なあれを思い出させる一言しかいただいていなかったのですが、納得できます。
本当に「気持ち良い」としか言いようがありません。
しかも中毒性があるのか、数日経った今でも、この記事を書きながら、あの気持ち良さが頭皮に蘇っています。
中毒性がある、という点でも、法律的に問題のあるあれが思い出される気がします。
もちろん効果があるのは物理的な面だけではありません。
この日抱えてきた、仕事上の面倒事や、連絡遅延や、これから帰ることになる45kmもの帰路や、今晩のメニューがまだ決まっていないという苦しい現実が、遠い事のように思えてきました。
苦しいのは生きているから。
忙しいのは日々が充実している裏返し。
今なら悟りを開けるような気もします。
店長さん「今までそんなに老けて見られてたんですか?」
「そうなんですよ〜。社長と一緒にいると奥さん?って聞かれるし、その上私と5歳しか違わない女の子は娘だと思われるんですよ!それにね(以下延々と愚痴)」
一瞬で気のせいだと自覚せざるを得ませんでしたが。
俗物は俗物です。
しかしこの外見も内面もイケメンな店長さん、「だったら10代に見えるようにしましょう!」とまでおっしゃってくださりました。
いや、現実的に、20代すらもう無理ではあるのですが。
何よりその励ましがうれしかったのです。おばちゃんにとって。
夢のような一時、仕上がりはこれです。
カット前とは別人とさえ思えてきます。
感謝の言葉もありません。
ありがとうございました。
美容室かりんてさん、45kmの距離すらゼロにできる、素晴らしい美容室でした。
後日撮影しました。
店長さん「で、Mさんから聞いたんですが、優秀なブロガーさんなんですよね?」
私「え?何ですか、それ。そんなひといませんよー」
なんか知らない間に、恐ろしいほどハードルを上げられていました。
しかも、上げられたのは私だけではなかったのです。
私「Mさんが『どんな風になるのか楽しみ!』って言うから、『土台がこれだからご期待に添えないかも』って答えたら、『かりんてさんなら、どんな土台でも素晴らしくしてくれる!』って言ってましたけど」
店長さん「やっべぇ」
私たちが知らない間に、静かに、音も立たないほど静かに、嵐が巻き起こっていたようです。
寛大で慈悲深く、人を信じるという、現代社会では忘れられがちな貴重な才能を持ち合わせている天使の微笑みの持ち主を、私は今後、女帝とお呼びしたいと思います。
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